2021年1月21日 アメリカ大統領就任式
私の終戦記念日
今日、ジョー・バイデンさん(1942年生まれ・78歳・ペンシルバニア生まれ )が大統領に就任しました。
これで、ようやく少しずつ私のトラウマ治療が始まるような気がします
私は2011年9月11日のニュヨーク同時多発テロを目撃したことによるトラウマPTSDを抱えていますが、実は私のトラウマは911だけではありません
私のPTSDは生まれる前から始まっていたような気がします
第二次世界大戦。
あの戦争の日々を生き抜いた父と母の体の中に、筋肉の中に、脳みその中に、残っていたもの・・・
私は与えられた絶対音感の耳で全てを記憶してしまったから。
4年間の狂った時代
テレビ画面の中でバイデン大統領が話しかける声を聞きながら、まだちょっと信じられない自分がいます。
彼の言ってる言葉を信じたいけどあまりにも私たちがこの4年間見てきたアメリカはがっかりだったからにわかには信じられないと言うのも事実
でも立ち止まる余裕はアメリカ国民なら今ないはず。前に進むだけ今日、やっと何か大きな嵐が去ったような気がします
トムハンクスが出てきたからといって、アメリカが映画のように幸せなハッピーエンディングに向かっていると言う保証はありません
でもトムハンクスもJennifer Lopezもみんな人間やそして私もその同じ人間で、私は日本人からアメリカ人になりました
テレビを見て、こんなに泣いたりわめいたりするとは夢にも思わなかったけど。
戦争と暴力がもたらす苦悩
今日が私にとっての終戦記念日です。
それは大統領が、ミリタリーの家族や配偶者のPTSDについて兵士たちのの話を一般国民に話してくれていたから。
これが私にとっての癒しの第一歩です。
特攻隊の生き残りだった私の父が残してくれた私の体に入っているメッセージは残された人生を生き抜くことだけ。
大統領が変わるたびに、自分のライフスタイルも、左右されてきたアメリカ生まれの白人。中級階級の典型と言える夫。
戦争が終わった故郷に、予科練から帰った父が味わったような気持ち。父が味わったような「敗戦」の気持ちを、どこかでアメリカ人の夫も感じることがあるんだろうか?
今私たち夫婦はこのギャップを埋めるために、互いのメンタルヘルスを乗り切ろうとセッションを受けています
大統領就任の事は一言も言わずに近未来の日本で犬を救う少年の冒険シウトーリー『犬ヶ島』(ウエスアンダーソン監督)の映画を一緒に見ました。
私にとってあの映画は犬が日本人で人間がアメリカ人という風にみえました。
支配する側される側と言う不思議な映画を、現実と映画の画面と両方で見ているような・・・
他の人がどんな気持ちでこの就任式を見ているのか素直に話ができないこんな国にも自分はいるんだなって。
私の中の戦争はこれで終わりにしたいと思います。
●カイルアお天 プロフィール
大阪府出身ハワイ在住のミュージシャン。90年代にアメリカに移住、ニューヨークでの生活を経て、2011年の9.11を体験。PTSDとなる。ハワイ・カイルアに移住 音楽イベント団体『マダムマーメイドクラブ』を運営