詩集


眠り

私の目が失われたら

美しい風景を想像する夢を見て

ただ 眠りたい

私の耳が失われたら

美しい音楽を演奏する夢をみて

ただ 眠りたい

私の手が失われたら

あらゆる人と抱き合う夢を見て

ただ 眠りたい

私の足が失われたら

あらゆる国境線を超える夢を見て

ただ 眠りたい

私のこころが失われたら

あらゆる人たちと和解し

あらゆる人たちが和解する夢をみて

ただ 眠りたい

私の命が失われたら

既に失われたものたちと再会して

生命の収斂する暖かい泥の中で

ただ 眠りたい

■詩集 沈黙の絶望、沈黙の希望 ■常本哲郎著 ■鳥影社刊 (2017年初刊 2020年第3刷)

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16歳の時に統合失調症を発症し30年間病とともに暮らす常本哲郎さんの詩集です。装丁は奥様の倉田真奈美さんの絵です。常本さんが10代のころから書きためたという詩のかずかず。

本詩集に編纂された沈黙をテーマにした100篇あまりの詩の言葉たちは、どれもせつなく、美しくそして私の心の深く暖かいところに響きます。

たくさんの詩のなかから1篇を選んで紹介します。

常本哲郎さんのこの詩集は、いろんなかたちの希望の種を入れた言葉の宝箱のような一冊です。もし他の詩も読みたい詩集購入ご希望の方は下記にメールにてお申し込みください。1冊2000円(送料込み)です。サイン希望とメールに書いていただければ、常本さんより直接、サイン付きの一冊を郵送いたします。

購入お申し込みは メンタルサバイバーチャンネル事務局 survivor@lamappa.jp

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