いのち 常本哲郎
私は絶望を知っている
だから希望が持てる
私は涙のかなしみを知っている
だから笑顔になれる
私は言葉を覚えたての子どものよう
だからこころが見える
私は死を拒まない
だから生きていける
矛盾に拠ってしか起こされない奇跡
人間によってしか生まれない温もり
私はいつか いのちを天に返す
そのときまで限りある生を燃やして
私は絶望を知っている
だから希望が持てる
■詩集 沈黙の絶望、沈黙の希望 ■常本哲郎著 ■鳥影社刊 (2017年初刊 2020年第3刷)
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16歳の時に統合失調症を発症し30年間病とともに暮らす常本哲郎さんの詩集です。装丁は奥様の倉田真奈美さんの絵です。常本さんが10代のころから書きためたという詩のかずかず。
本詩集に編纂された沈黙をテーマにした100篇あまりの詩の言葉たちは、どれもせつなく、美しくそして私の心の深く暖かいところに響きます。
たくさんの詩のなかから1篇を選んで紹介します。
常本哲郎さんのこの詩集は、いろんなかたちの希望の種を入れた言葉の宝箱のような一冊です。もし他の詩も読みたい詩集購入ご希望の方は下記にメールにてお申し込みください。1冊2000円(送料込み)です。サイン希望とメールに書いていただければ、常本さんより直接、サイン付きの一冊を郵送いたします。
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